【2026年最新】海運株はなぜ急落?商船三井・郵船の下落理由とスエズ運河再開の影響を徹底解説

【2026年最新】海運株はなぜ急落?商船三井・郵船の下落理由とスエズ運河再開の影響を徹底解説

2026年1月19日

はじめに:海運セクターに走る衝撃

2026年1月、これまで高配当株として人気を集めてきた海運株(日本郵船、商船三井、川崎汽船)が大きな調整局面を迎えています。

「なぜ急に株価が下がったのか?」

「スエズ運河の再開は良いニュースではないのか?」

多くの投資家が抱くこの疑問に対し、結論から言えば、現在の市場は「供給の津波(Supply Tsunami)」を警戒しています。紅海危機の沈静化とスエズ運河の再開は、物流にとって朗報である一方、海運市況にとっては「運賃暴落のトリガー」となり得るのです。

本記事では、最新の市場データに基づき、海運株急落のメカニズムと2026年の展望を分かりやすく解説します。

海運株下落の3つの主要因

2026年1月中旬に起きた「海運ショック」とも呼べる全面安。その背景には、単なる一時的な売りではない、以下の3つの複合的な要因があります。

① 運賃市況の悪化(BDI・SCFIの急落)

海運会社の利益に直結する運賃指標が崩れています。

  • バルチック海運指数(BDI): 鉄鉱石などを運ぶドライバルク船の市況を示す指数は、1月中旬に9営業日連続で下落し、1,500ポイント台まで低下しました。特に中国の鉄鋼需要減退が響いています。
  • 上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI): コンテナ船の運賃も欧州向けを中心に調整局面入りしており、先行きへの警戒感が強まっています。

② スエズ運河再開による「実質供給増」

これが今回の最大の下落要因です(詳細は後述)。マースクやONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)などの主要船社がスエズ運河ルートへの復帰を表明したことで、市場は「船が余る」未来を織り込み始めました。

③ 配当権利落ちと利益確定売り

日本の海運株特有の事情として、配当を意識した売買があります。今回は「来期(2027年3月期)以降の減配リスク」を投資家が強く意識したため、配当を待たずに利益を確定させる動き(売り)が優勢となりました。

スエズ運河再開がなぜ「ネガティブ」なのか?

「スエズ運河が通れるようになれば、燃料代も浮くし、効率的になるのでは?」

そう考えるのが自然ですが、海運株投資においては「効率化=運賃下落」の方程式が成り立ちます。

喜望峰ルートは「天然の需給調整弁」だった

これまで、紅海の治安悪化により船会社はアフリカ南端の「喜望峰」を回る遠回りルートを採用していました。これにより航行距離が伸び、より多くの船が必要となっていたため、過剰な船腹供給が見えなくなっていたのです。

再開が招く「6〜10%」の供給ショック

スエズ運河ルートに戻ると、アジア〜欧州間の航行日数は往復で大幅に短縮されます。

専門家の分析によると、これにより世界の全船腹量の約6%〜10%に相当するキャパシティが一気に市場に解放される計算になります。

  • 需要: 世界経済の成長は鈍化傾向(2.5%〜3.5%増予測)
  • 供給: 新造船ラッシュに加え、スエズ再開による実質供給増(合計で10%近い圧力)

この「需要 < 供給」のギャップが、運賃への強烈な押し下げ圧力となっているのです。

日本の大手3社への影響と違い

この状況下で、日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)にはどのような影響があるのでしょうか。

川崎汽船(9107):影響度「大」

3社の中で最もコンテナ船事業(ONE)への収益依存度が高い傾向にあります。コンテナ運賃のボラティリティ(変動)の影響をダイレクトに受けるため、今回の下げ局面でも下落率が大きくなっています。

日本郵船・商船三井:影響度「中」

両社はコンテナ以外にも、LNG船(液化天然ガス)や自動車船などの事業ポートフォリオが分散されています。エネルギー輸送は長期契約が多く収益が安定しているため、コンテナ市況の悪化をある程度カバーできる構造ですが、株価連動性は依然として高いです。

物流現場では「逆説的」な混乱も

投資家視点だけでなく、物流の実務面でも注意が必要です。スエズ再開による「正常化」のプロセス自体が、短期的(2026年1月〜3月)には新たな混乱を生むと予測されています。

  • 欧州港湾の混雑(ダンゴ運転): 遠回りしてきた船と、スエズを通った近道の船が同時に到着し、港がパンクする恐れがあります。
  • コンテナ不足の再燃: 船のスケジュールが乱れることで、空コンテナの回収がスムーズにいかず、アジア側でコンテナ不足が発生するリスクがあります。

まとめと2026年の投資戦略

2026年の海運セクターは、「混乱によるボーナスステージ」が終わり、「実力とコスト競争力の勝負」へとフェーズが移行しました。

今後の見通し

  • 運賃: 2026年前半にかけて調整色が強まる可能性が高い。
  • 株価: 一本調子の上昇は期待しづらく、ボックス圏での推移か。PBR1倍割れ対策としての「自社株買い」が下支え要因になるでしょう。

投資家へのアドバイス

現在の株価下落は、市場が「構造的な供給過剰」を織り込んだ結果です。「下がったから買い」と安易に判断せず、以下の指標をチェックしながら慎重に判断することをお勧めします。

  1. SCFI(コンテナ運賃)の下げ止まりを確認する。
  2. 大手3社の自社株買い発表など、株主還元姿勢を注視する。
  3. 中東情勢のニュース(スエズ通航の安定性)をフォローする。

※本記事は2026年1月時点の市場情報に基づき作成されています。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。

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