2025年10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出されました。週末が明けた10月6日(月)、金融市場は歴史的な活況を見せました。
この記事では、なぜ「高市ラリー」と呼ばれるほどの株価高騰が起きたのか、その背景にある3つのポイントと今後の展望を、誰にでも分かりやすく解説します。
週末明けに市場で起きた3つのこと【高市ラリー】
10月6日の金融市場は、高市新総裁の経済政策、通称「サナエノミクス」への強い期待感から、大きく動きました。

- 株価が歴史的な爆上げ
- 日経平均株価は、1日で2,175円以上も上昇し、終値で過去最高値を更新しました。これは史上最大の上げ幅です。
- 急激な円安が進行
- 為替市場では円が売られ、心理的な節目である1ドル=150円を突破しました。
- 長期金利が上昇
- 将来の経済成長や物価上昇を見込んで、国債の利回りも上昇しました。
この「株高」「円安」「金利上昇」の3点セットは、経済が力強く成長するシナリオを市場が織り込んだ典型的な動きで、「リフレ取引」と呼ばれます。
なぜ市場はここまで熱狂したのか?「サナエノミクス」3つの柱
市場がこれほどポジティブに反応した理由は、高市氏が掲げる明確な「成長推進(プログロース)」路線にあります。その政策は、大きく3つの柱で構成されています。

1. 積極的な財政出動:「国が経済を力強く後押しする」という期待
高市氏は「責任ある積極財政」を掲げ、物価高対策や中小企業支援など、大規模な経済対策を行う姿勢を示しています。市場はこれを「政府が景気を良くするためにお金を使う」という力強いメッセージと受け止めました。
2. 金融緩和の継続:「アベノミクスの再来」への期待
高市氏は、賃金が十分に上昇するまで、日本銀行は利上げを急ぐべきではないという考えを示唆しています。これは、低金利が続くことで企業の活動や個人の投資が活発になるという期待につながり、株価を押し上げる大きな要因となりました。
3. 国家主導の成長戦略:「強い日本」を作る分野への集中投資
防衛、サイバーセキュリティ、エネルギー(原子力・核融合)、宇宙技術といった特定の戦略分野に国が主導して投資する方針です。これにより、特定の産業が長期的に成長するという期待から、関連企業の株が大きく買われました。
実際にどの株が上がったのか?注目のテーマ株
今回の「高市ラリー」では、特に政策との関連が深い銘柄に資金が集中しました。

- 防衛関連株:防衛費増額への期待から、三菱重工業やIHIなどが軒並み急騰。
- 経済安全保障関連株:サイバーセキュリティ強化の方針を受け、関連企業が大きく上昇。
- エネルギー関連株:原子力発電の再稼働や次世代エネルギー(核融合)への期待から、関連銘柄が注目されました。
- 輸出関連株:円安の恩恵を受ける自動車などの輸出企業も買われました。
まとめ:熱狂の先にあるもの
高市新総裁の誕生に対する市場の反応は、成長を重視する経済政策への強い支持を示すものでした。これは、財政再建や分配を重視する姿勢を見せた過去の政権発足時とは対照的な動きです。
ただし、この熱狂的な歓迎はあくまで「期待」の表れです。
今後は、掲げた政策を実際に実行できるかどうかが問われます。大規模な財政出動が国の借金をさらに増やすリスクや、行き過ぎた円安が輸入品の価格を押し上げ、国民の生活を圧迫する可能性も指摘されています。
今後の組閣人事や最初の経済対策(補正予算)の内容が、この市場の期待が本物かどうかを見極める試金石となるでしょう。
先日、高市早苗新総裁が誕生して、今後の見通しに関しても昨日記事にしておりますので併せて確認してみてください。
