「佐川急便」でおなじみのSGホールディングス(9143)。最近、株価がなんとなく元気がない…と思っている投資家の方も多いのではないでしょうか。
しかし、株価が下がっている今こそ、実は絶好の仕込み時かもしれません。
2024年から2025年にかけての株価調整により、配当利回りは3.6%水準まで上昇し、高配当株としての魅力が急激に高まっています。

今回は、SGホールディングスの株価が低迷している理由と、それでも「買い」と言える根拠、そして気になる配当金の魅力について、最新の決算データを基に分かりやすく解説します。
SGホールディングスは「買い」なのか?
結論から言うと、中長期的な視点で見れば現在は「買い」の好機である可能性が高いです。
その理由は以下の3点です。

- 割安感: 競合他社と比較しても株価指標(PER)が割安。
- 高配当: 配当利回りが約3.6%と高く、増配傾向にある。
- 体質改善: 「数を追う」から「利益重視」へ戦略転換が進んでいる。
なぜそう言えるのか、詳しく見ていきましょう。
なぜ今、SGホールディングスの株価は下がっているのか?
「買い時」を判断する前に、なぜ株価が下がっているのか(リスク)を知っておくことは重要です。主な要因は以下の2点です。
1. 宅配便の取扱個数が減っている
コロナ禍の「巣ごもり需要」が落ち着き、ネット通販の荷物量が減少傾向にあります。また、Amazonなどが自社配送を強化していることも影響し、佐川急便が運ぶ荷物の数が減っています。

出展:https://www.sagawa-exp.co.jp/
2. 「2024年問題」とコスト増
物流業界全体の問題ですが、トラックドライバーの労働時間規制(2024年問題)や、燃料費・人件費の高騰が利益を圧迫しています。これにより、2025年3月期の営業利益予想が下方修正されたことが、株価の重石となっています。
それでも「買い時」と判断できる3つの理由
ネガティブな要素があるにもかかわらず、なぜ投資妙味があるのでしょうか。
① 配当利回りが3.6%と魅力的!
株価下落の裏返しで、配当利回りが非常に魅力的になっています。
- 予想配当利回り:約3.6%(2025年12月時点)
- 東証プライム平均: 約2.3%
- ヤマトHD(競合): 約2.1%
競合のヤマトホールディングスや市場平均と比べても、その差は歴然です。
さらに、SGホールディングスは以下のように増配(配当金を増やすこと)を続けています。
- 2023年3月期:51円
- 2024年3月期:51円
- 2025年3月期(予想):52円
- 2026年3月期(予想):53円
利益の中からしっかりと株主に還元する姿勢(配当性向約56%)は、長期保有する上で大きな安心材料です。
② ライバルと比較して株価が「割安」
企業の利益に対して株価が何倍かを示す「PER(株価収益率)」を見てみましょう。一般的にこの数字が低いほど割安とされます。

出展:https://www.sagawa-exp.co.jp/
| 銘柄 | 株価 (2025/12) | PER (予想) | PBR (実績) |
|---|---|---|---|
| SGホールディングス | 1,470円 | 約14.9倍 | 1.69倍 |
| ヤマトホールディングス | 2,152.5円 | 約19.2倍 | 1.31倍 |
ライバルのヤマトHDがPER19倍台であるのに対し、SGホールディングスは約14.9倍。
稼ぐ力(利益率)はSGホールディングスの方が高い傾向にあるにもかかわらず、株価評価は割安に放置されている状態と言えます。
③ 「値上げ」と「買収」で利益体質へ
荷物の数が減っている対策として、会社側は「適正運賃の収受(値上げ)」を進めています。
「安く大量に運ぶ」のではなく、「適正な価格で質の高い配送をする」ことで、1個あたりの利益(単価)は着実に上昇しています。

出展:https://www.sagawa-exp.co.jp/
また、低温物流(冷凍・冷蔵)に強い「C&Fロジホールディングス」を買収したことも大きなトピックです。これにより、食品物流という成長分野での競争力が一気に高まりました。これらの効果が数字として表れてくれば、株価の見直し(リバリュエーション)が進むでしょう。
投資する際のリスクと注意点
もちろん、投資にリスクはつきものです。以下の点には注意が必要です。
- 荷動きのさらなる鈍化: 景気悪化で消費が冷え込めば、配送需要がさらに落ち込む可能性があります。
- コストインフレ: 人件費やガソリン代が想定以上に上がれば、値上げ効果が相殺されてしまいます。
どんな人におすすめ?
- 短期的な値上がりよりも、配当金(インカムゲイン)を重視したい人
- 物流という社会インフラ企業に中長期で投資したい人
- 株価が下がったタイミングで優良株を拾いたい人
まとめ:ピンチはチャンス?

SGホールディングスの現状は、コスト増などの「逆風」と、値上げや買収効果という「追い風」がぶつかり合っている状態です。
しかし、配当利回り3.6%という「実」を取りながら、株価の回復を待てる今の水準は、投資家にとって非常に魅力的なエントリーポイント(買い場)に見えます。
株価1,400円台は、過去の推移や理論株価から見ても「売られすぎ」の水準。
短期的な動きに一喜一憂せず、じっくりと配当をもらいながら成長を待つスタンスであれば、検討する価値は大いにありそうです。
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