【IPO】AlbaLink(アルバリンク) IPO分析!「空き家再生」の成長株か、それとも「出口」案件か?【5537】

【IPO】AlbaLink(アルバリンク) IPO分析!「空き家再生」の成長株か、それとも「出口」案件か?【5537】

2025年11月22日

AlbaLink(アルバリンク)のIPOが12月15日に決定!

2025年12月15日、東証グロース市場に株式会社AlbaLink(証券コード:5537)が新規上場(IPO)します。

AlbaLinkは、「空き家」や「訳あり物件」といった、通常の不動産市場では売買が難しい物件を専門に買い取り、再生して再販売するという、非常に社会貢献度の高いビジネスを展開しています。

「空き家問題」という大きな社会課題に取り組む同社のIPOは、投資家から大きな注目を集めています。しかし、その中身を詳しく見ると、手放しで喜べない「大きな特徴」も隠されていました。

この記事では、AlbaLinkのIPOに申し込むべきか、投資妙味はあるのかを、5つのポイントで分かりやすく解説します。

AlbaLinkってどんな会社?

  • 事業内容: 「訳あり物件」の買取再販
  • ビジネスの強み: 法律的な問題なども解決する「瑕疵(かし)解消能力」
  • 社会的テーマ: 「空き家をゼロにする」というミッション

AlbaLinkのビジネスは、単なるリフォーム会社とは異なります。権利関係が複雑な相続物件や、再建築が難しい物件など、プロでも手を出しにくい「訳あり物件」を買い取ります。

IPOの基本情報(スケジュールと価格)

まずは、IPOの基本情報をチェックしましょう。

項目詳細
上場予定日12月15日
上場市場東証グロース市場
想定発行価格1,060円
仮条件決定日11月27日
公開価格決定日12月4日
ブックビルディング期間11月27日の週から
主幹事証券野村證券
引受幹事証券SMBC日興証券, 松井証券, SBI証券 など

【最重要】このIPO、実は「出口」案件?

今回のIPOで最も注意すべき点が、「株の内訳」です。

  • ① 公募(こうぼ): 50,000株
    • 会社が新しく株を発行し、会社が資金調達する分。
  • ② 売出(うりだし): 1,671,000株
    • 既存の株主(創業者など)が持っている株を市場に売り出す分。

お気づきでしょうか?

会社が新しい事業のために調達する資金(公募)が5万株と極端に少なく、既存株主が株を売って利益を確定する「売出」が167万株と、公募の30倍以上になっています。

これは、今回のIPOの主目的が「会社の成長資金を集めること」ではなく、「既存株主が投資を回収すること(=出口、Exit)」にある可能性が極めて高いことを示しています。

業績の「成長性」と「収益性」に黄信号?

AlbaLinkの業績は、過去数年で爆発的に成長してきました。

決算期売上高経常利益経常利益率
2022年12月13.3億円1.5億円11.6%
2023年12月29.9億円3.9億円13.3%
2024年12月54.4億円5.2億円9.6%

この表から、2つの重要なシグナルが読み取れます。

  1. 売上成長の鈍化: 2023年は売上が+123%でしたが、2024年は+81%と、成長ペースが鈍化しています。
  2. 収益性の低下: より深刻なのは、利益率です。売上は8割も増えたのに、利益の伸びは3割に留まりました。結果、利益率は13.3%から9.6%へ大幅に悪化しています。

これは「規模は大きくなっているが、儲けが出にくくなっている」ことを示しており、今後の成長性に疑問符がつきます。

株価は割安?「PER 10.1倍」の罠

AlbaLinkの株価評価(バリュエーション)は、一見すると「割安」に見えます。

  • 2024年12月期(実績): PER 22.42倍
  • 2025年12月期(会社予想): PER 10.1倍

「PER 10.1倍」と聞くと、グロース市場の成長企業としては非常に割安に感じます。

しかし、この「10.1倍」という数字は、「2025年12月期に、経常利益が今年からさらに+64.7%も成長する」という、非常にアグレッシブ(強気)な会社の業績予想を前提にしています。

前述の通り、足元では利益率が低下している中、この高いハードルをクリアできるかは不透明です。もし予想が未達に終われば、PER 10.1倍という割安評価は崩れ、一気に「割高」と見なされるリスクがあります。

投資判断まとめ:買いか、見送りか?

AlbaLink(5537)のIPO分析をまとめます。

ポジティブ材料(買い)

  1. 強力なテーマ性: 「空き家再生」というビジネスは、社会的にも応援されやすく、投資家の人気を集めやすいテーマです。
  2. 短期的な需給: 「公募」が5万株と極端に少ないため、欲しい人が殺到し、初値(上場後、最初につく株価)が高騰する可能性は十分にあります。

ネガティブ材料(懸念)

  1. 出口(Exit)IPO: 既存株主による大規模な「売出」が中心であり、上場後の「売り圧力」が懸念されます。
  2. 業績のピークアウト: 成長の鈍化と、利益率の大幅な低下が既に始まっています。
  3. 割安感の「罠」: PER 10.1倍という数字は、達成が難しいかもしれない「強気な未来予想図」に依存しています。

結論

AlbaLinkは、「短期的な初値の盛り上がり」と「中長期的な業績と需給への不安」が同居する、非常に評価が難しいIPOです。

初値だけを狙う短期売買は「アリ」かもしれませんが、その場合は高値掴みに注意が必要です。

中長期で同社の「空き家再生」というストーリーを応援したい投資家は、既存株主がなぜこのタイミングで大規模に株を売却するのか、そして利益率が低下しているトレンドを会社が反転させることができるのかを、冷静に見極める必要があります。

※本記事は情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。

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