2024年から始まった新NISA。多くの方が活用を始めていますが、早くも次の大きな改革のニュースが入ってきました。
2026年を目処に、NISAが0歳の赤ちゃんから高齢者まで、すべての世代で利用可能になる見通しです。
「資産運用立国」を掲げる政府の方針のもと、金融庁が制度改正を要望しています。この「NISA全年齢化」が実現すると、私たちの資産形成はどのように変わるのでしょうか?
この記事では、新たに導入が検討されている「こどもNISA」と「プラチナNISA」という2つの柱を中心に、2026年のNISA改革のポイントを誰にでも分かりやすく解説します。
NISAの「全年齢化」とは?なぜ今?
現在のNISAは、利用できるのが「18歳以上」に限られています。しかし、少子高齢化が進む日本では、若い世代の早期からの資産形成と、高齢者層が持つ豊富な預貯金の活用が大きな課題となっています。
そこで政府が打ち出したのが、NISAの対象年齢を広げる「全年齢化」構想です。
- 未成年者向け(0歳〜): 新しい「こどもNISA」を創設
- 高齢者向け(65歳〜): 新しい「プラチナNISA」を創設
この改革により、文字通り「ゆりかごから墓場まで」生涯を通じた非課税投資の環境が整うことになります。
【次世代向け】「こどもNISA」で早く始めるほどお得に!
今回の改革で最も注目されているのが、18歳未満を対象とする「こどもNISA」(仮称)です。
ポイント1:年間120万円まで非課税投資が可能に
「こどもNISA」は、現行NISAの「つみたて投資枠」を未成年者にも開放する形が想定されています。これにより、年間120万円までの投資で得た利益が非課税になります。
生まれたばかりの赤ちゃんのために口座を開設し、コツコツ積立投資を続ければ、大学進学や就職など、将来の大きなライフイベントに向けた資金を効率的に準備できます。
ポイント2:旧ジュニアNISAの「弱点」を克服!いつでも引き出し可能に
「昔あったジュニアNISAは使いにくかった…」という記憶がある方もいるかもしれません。
旧ジュニアNISAの最大の弱点は、「子供が18歳になるまで原則引き出せない」という厳しい制限でした。
急な出費に対応できないため、利用が広がらなかったのです。
しかし、新しい「こどもNISA」では、この引き出し制限が撤廃される見込みです。必要な時にいつでも売却して現金化できる柔軟性が、最大のメリットと言えるでしょう。
「こどもNISA」のメリットまとめ
- 複利効果が最大化できる:0歳から始めれば、数十年という圧倒的な長期投資が可能になり、雪だるま式に資産を増やす「複利」の効果を最大限に享受できます。
- 柔軟な資金計画が可能:大学費用だけでなく、習い事や留学など、さまざまな目的に合わせて柔軟に資金を活用できます。
- 最高の金融教育ツールに:子供と一緒に口座の状況を確認することで、幼い頃からお金や投資について学ぶ絶好の機会になります。
【退職後向け】「プラチナNISA」で安定した老後生活を
もう一つの柱が、65歳以上の高齢者を対象とする「プラチナNISA」(仮称)です。
ポイント:毎月分配型の投資信託が対象に
高齢者層のニーズで根強いのが、「年金の足しとして、毎月少しずつお金を受け取りたい」というものです。
「プラチナNISA」は、このニーズに応えるため、現行NISAでは対象外となっている「毎月分配型投資信託」を非課税の対象に加えることが検討されています。
これにより、預貯金として眠っている資産を投資に回し、安定したキャッシュフローを生み出す選択肢が増えることになります。
注意点:「タコ足配当」のリスクを理解しよう
ただし、毎月分配型投信には注意が必要です。運用がうまくいっていない時に、元本を取り崩して分配金を支払う「特別分配金(タコ足配当)」が発生することがあります。
これに気づかないと、「毎月お金がもらえて安心」と思っていたら、いつの間にか元手が大きく減っていた…という事態になりかねません。
プラチナNISAを利用する際は、商品の仕組みをしっかり理解し、信頼できる専門家に相談することが重要です。
まとめ:2026年に向けて今から準備しよう
NISAの全年齢化は、日本の資産形成を大きく変える可能性を秘めた改革です。
制度(仮称) | 対象年齢(想定) | 年間投資枠(想定) | 特徴 |
---|---|---|---|
こどもNISA | 0歳~17歳 | 120万円 | ・いつでも引き出し可能<br>・長期投資で複利効果を最大化 |
プラチナNISA | 65歳以上 | 未定 | ・毎月分配型投信が対象<br>・退職後のキャッシュフロー確保 |
正式な決定はこれからですが、2026年のスタートに向けて、今のうちから情報収集を始めておきましょう。
- お子さんやお孫さんがいる方:こどもNISAで、将来の選択肢を広げる準備を。
- 退職後の生活を考えている方:プラチナNISAを、資産活用の新しい選択肢として。
新しいNISA制度を賢く活用して、より豊かな未来を築いていきましょう。