「日本のエネルギーを支える企業」「4%超えの高配当」と聞いて、INPEX(インペックス)に興味を持っている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、日本最大の石油・天然ガス開発企業であるINPEX(証券コード:1605)への投資について、投資家が知るべきポイントを3分で理解できるよう、分かりやすく解説します。
この記事のポイント
- INPEXは日本のエネルギー安全保障を担う国策企業
- 最大の魅力は「累進配当」を掲げる高い株主還元
- 原油価格の変動が株価と業績に直結する点には注意が必要
- 長期的な視点で配当を狙う投資家におすすめ
INPEXってどんな会社?
INPEXは、一言でいうと
「世界中で石油や天然ガスを探し、掘り出し、販売する会社」
です。

ENEOSのようにガソリンスタンドで石油製品を売る「下流」事業ではなく、資源そのものを生み出す「上流」事業がメイン。これがINPEXの大きな特徴であり、高い利益率の源泉となっています。
INPEXの3つの特徴
- 日本のエネルギーを支える国家代表企業筆頭株主は日本政府(経済産業大臣)で、重要な決定に対する拒否権(黄金株)も保有しています。単なる民間企業ではなく、日本のエネルギーを安定供給するという国家的な使命を背負った特別な存在です。
- 世界を舞台にした巨大プロジェクトオーストラリアの「イクシスLNGプロジェクト」や、中東アブダビの油田など、世界規模の巨大プロジェクトを運営しており、これが収益の大きな柱となっています。
- 驚異的な利益率自ら掘り出した資源を売るため、原油価格が上がると利益が爆発的に増えます。営業利益率は50%を超えることもあり、これは他の多くの業種では考えられないほどの高い水準です。
INPEXに投資する3つのメリット(買いの理由)
では、なぜINPEXが投資対象として魅力的なのでしょうか。主な理由を3つご紹介します。
メリット1:【最重要】高く、成長し続ける配当金
INPEXへの投資を考える上で最大の魅力は、なんといっても手厚い株主還元です。

- 4%を超える高い配当利回り
- 「累進配当」の導入:業績が悪化しても減配せず、前の期の配当を維持するか、増配(増やす)ことを約束しています。
この「減配しない」という強いメッセージは、経営陣が将来の安定した収益に自信を持っている証拠です。配当金を目的とするインカム投資家にとっては、非常に心強い方針と言えるでしょう。
メリット2:財務の安定性と株価の割安感
自己資本比率は60%を超え、財務は非常に健全です。借金が少なく、安定した経営基盤を持っています。
また、PBR(株価純資産倍率)は1倍を大きく下回っており、**「会社の持つ純資産価値に比べて株価が割安である」**ことを示唆しています。
メリット3:株主優待制度
長期で応援してくれる株主のために、株主優待制度も用意されています。400株以上を1年以上継続して保有すると、保有株数と期間に応じてQUOカードがもらえます。
INPEX投資の2つのリスク(注意点)
もちろん、投資にリスクはつきものです。INPEXに投資する上で、必ず理解しておくべき注意点を2つ解説します。
リスク1:原油価格に業績が左右される

INPEXの株価や業績は、原油や天然ガスの国際価格とほぼ連動します。
原油価格が上がれば株価も上昇しやすいですが、逆に下がれば株価も下落しやすくなります。この価格変動リスクは、INPEXに投資する上で避けては通れない最大のポイントです。
リスク2:世界的な「脱炭素」の流れ
世界は今、二酸化炭素の排出量を減らす「脱炭素」社会へと向かっています。将来的には化石燃料への需要が減少し、INPEXが保有する油田やガス田の価値が下がってしまう「座礁資産」リスクが懸念されています。
ただし、INPEXもこの流れに対応するため、CO2を回収・貯留する「CCS」技術や、水素・アンモニア事業へ多額の投資を行っています。
【結論】INPEXはどんな人におすすめ?
ここまでの内容をまとめます。
メリット(強み) | リスク(弱み) |
✅ 4%超えの高い配当利回り | ⚠️ 原油価格の変動に弱い |
✅「減配しない」累進配当政策 | ⚠️ 脱炭素の長期的なリスク |
✅ 財務が健全で株価に割安感あり |
結論として、INPEXはこんな方におすすめの銘柄です。
- 長期的な視点で、安定した配当金をコツコツ受け取りたい
- 原油価格の変動による株価の上下を許容できる
- ポートフォリオにエネルギー関連株や高配当株を加えたい
INPEXは、日本のエネルギーを支える重要な役割を担いながら、株主への還元にも積極的な魅力ある企業です。リスクを正しく理解した上で、ご自身の投資戦略に合うと感じた方は、ポートフォリオへの組み入れを検討してみてはいかがでしょうか。