2025年11月、GoogleのAIノートブックツール「NotebookLM」に、過去最大級のアップデートが到来しました。その名も「Deep Research(ディープリサーチ)」。

これまで「手持ちの資料をAIに読み込ませて整理するツール」だったNotebookLMが、ついに「Web上の情報を自律的に調査し、レポートを作成してくれるエージェント」へと進化しました。
「リサーチに時間がかかりすぎる…」
「情報の裏付けをとるのが大変…」
そんな悩みを持つライター、研究者、ビジネスパーソンにとって、これはまさに神アップデートと言えるでしょう。本記事では、NotebookLMのDeep Research機能の全貌、具体的な使い方、そして競合ツールとの違いまでを徹底解説します。
NotebookLMの「Deep Research」とは?
一言で言うと、「あなたの代わりにAIがネットサーフィンをして、情報をまとめ上げてくれる機能」です。

従来のチャットAI(ChatGPTやGeminiの通常版)と決定的に違うのは、単に質問に答えるだけでなく、AIが自律的に調査計画を立てて実行する(Agentic Workflow)点です。
Deep Researchのすごい仕組み
Deep Researchは、以下の4ステップを全自動で行います。
- 計画策定: あなたの「〇〇について調べて」という指示を理解し、必要なサブタスク(市場規模、競合、課題など)に分解して調査プランを作ります。
- 広範な探索: 何百ものWebサイトにアクセスし、信頼性や鮮度をチェックしながら読み込みます。
- 反復学習: 調査中に新たな疑問が生まれたら、自ら検索ワードを変えて深掘りします。
- レポート作成: 集めた情報を構造化し、すべての主張に出典(リンク)をつけたレポートとして出力します。
用途で選べる2つのモード:Fast vs Deep
今回のアップデートでは、調査の深さとスピードに応じて2つのモードが用意されました。
| モード名 | 特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| Fast Research (高速リサーチ) | スピード重視。 Web全体をざっとスキャンし、要点と主要ソースを即座に提示。 | ・会議直前の事実確認 ・記事のネタ出し ・トピックの概要把握 |
| Deep Research (深層リサーチ) | 深さ重視。 数分〜数十分かけて数百サイトを分析。バックグラウンドで動くため放置でOK。 | ・競合他社の徹底分析 ・専門的な技術リサーチ ・網羅的な論文レビュー |
まずは「Fast」であたりをつけて、詳しく知りたい部分を「Deep」で掘り下げる、といった使い分けが可能です。
ExcelやWordにも対応!進化したマルチモーダル機能

Deep Researchと同時に、読み込めるファイル形式も大幅に増えました。これにより、「Webの外部情報」と「手元の内部資料」を組み合わせた高度な分析が可能になります。
1. Googleスプレッドシート (Sheets)
ついに構造化データに対応しました。売上データやアンケート結果を読み込ませて、「Q3の売上が落ちた原因を分析して」といった質問が可能に。
- 活用例: Deep Researchで調べた「市場のトレンド」と、スプレッドシートの「自社データ」を突き合わせて分析する。
2. Microsoft Word (.docx) & PDF
ビジネス文書の定番、Wordファイルを変換なしでそのまま放り込めます。過去の議事録や契約書のドラフトなどをナレッジベースとして活用できます。
3. 画像 (Images) & 音声 (Audio)
図表の画像や、会議の録音データもソースとして利用可能。ホワイトボードの写真から議論の内容をテキスト化し、それを元にDeep Researchで裏付け調査を行う、といった使い方ができます。

【職種別】Deep Researchの具体的な活用ワークフロー
この機能は、具体的にどう仕事を変えるのでしょうか?職種別の活用例を紹介します。
ブロガー・ライター・YouTuber
- ネタ出し: 興味のあるテーマについてDeep Researchし、「意外な事実」や「未解決の謎」を発掘する。
- 構成案作成: Webの客観情報と、自分の取材メモ(画像や音声)を組み合わせて、記事や動画の構成案を作成させる。
- ファクトチェック: 執筆した内容の裏付けとなるソースを高速で収集する。
マーケティング・企画職
- 競合分析: 「競合A社の新製品に対するSNS上の反応まとめ」をDeep Researchで作成。
- 戦略立案: 自社の販売データ(スプレッドシート)と市場調査結果を統合し、SWOT分析のドラフトを作成。
研究者・学生
- 文献レビュー: 「最新の量子技術の動向」についてDeep Researchを実行し、数百の論文・記事から要点を抽出。
- 論文執筆: 自分の実験データと先行研究を統合し、イントロダクションの下書きを作成。
OpenAIやPerplexityとの違いは?
AI検索やリサーチ機能は他社も提供していますが、NotebookLMの強みはどこにあるのでしょうか。
- Google NotebookLM: 「情報の基地(ハブ)」。Googleドライブや自分の資料と強力に連携し、継続的に知識を蓄積していくのに最適。リサーチ結果が「ノート」として残るのが強み。
- OpenAI (Deep Research/Operator): 「タスク遂行」。ゼロから長文の論文を書き上げるような、単発の高難度タスクに強い。
- Perplexity: 「検索の代替」。サクッと答えを知りたい、速報ニュースを知りたいという用途に特化。
「じっくり情報を集めて、自分の資料と組み合わせて分析したい」なら、NotebookLMが一強です。
利用時の注意点と制限

非常に強力な機能ですが、無制限に使えるわけではありません。
- 無料版: Deep Researchの回数やソース数(50個まで)に制限があります。お試しやライトユース向け。
- 有料版 (NotebookLM Plus / Google One AI Premium): 1日あたりの実行回数が増え、ソース数も大幅(300個など)に緩和されます。本格的に使うなら検討が必要です。
- 情報の信頼性: AIが調査したとはいえ、ネット上の情報には誤りやバイアスが含まれる可能性があります。最終的なファクトチェックは必ず人間の目で行いましょう。
まとめ:AIを「優秀なリサーチャー」として雇う時代
NotebookLMのDeep Researchは、検索の手間を劇的に減らし、人間が「情報の評価」や「意思決定」に集中できる環境を作ってくれます。
「ググって、タブを大量に開いて、コピペしてまとめる」
そんな作業はもうAIに任せましょう。NotebookLMを使って、あなたの知的生産性を次のレベルへ引き上げてみてはいかがでしょうか。
