FXやCFD取引の世界で、多くのプロトレーダーに愛用されているツール「MetaTrader(メタトレーダー)」。高機能でカスタマイズ性も高いことから、これから本格的に取引を始めたい方にとって必須のプラットフォームです。
しかし、「名前は聞くけど、何がすごいのか分からない」「設定が難しそう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、MetaTraderの基本的な知識から、旧バージョンの「MT4」と新バージョンの「MT5」の違い、PC・スマホでの具体的な使い方、そして取引を自動化する「EA」まで、網羅的に分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたも今日からMetaTraderを使いこなせるようになります。

MetaTrader(メタトレーダー)とは?世界標準の取引ツール
MetaTraderとは、MetaQuotes社が開発した、世界中のトレーダーが利用する取引プラットフォームです。多くのFX証券会社が採用しており、無料で利用できます。
MetaTraderが選ばれる3つの理由
- 高性能なチャート分析: 豊富なテクニカルインジケーターや描画ツールが標準搭載されており、プロレベルの相場分析が可能です。
- 自動売買(EA)に対応: 「エキスパートアドバイザー(EA)」と呼ばれるプログラムを使えば、あなたの取引戦略を24時間自動で実行できます。
- 高いカスタマイズ性: 世界中の開発者が作ったカスタムインジケーターやEAを追加でき、自分だけの取引環境を構築できます。
現在、主に「MetaTrader 4 (MT4)」と「MetaTrader 5 (MT5)」の2つのバージョンが使われています。

MT4とMT5の5つの違いは?どっちを選ぶべき?
「新しいMT5の方が良いのでは?」と思いがちですが、一概にそうとは言えません。特に自動売買(EA)の世界では、いまだにMT4が主流です。それぞれの特徴を理解し、自分の目的に合った方を選びましょう。
| 機能 | MetaTrader 4 (MT4) | MetaTrader 5 (MT5) |
|---|---|---|
| 主な特徴 | EAの種類が圧倒的に豊富で、利用者が多い。 | 動作が高速で、分析ツールがより充実している。 |
| 取引対象 | FXがメイン | FX、株式、先物など多様な金融商品に対応 |
| 動作速度 | 標準的 | 高速(64bit対応) |
| 時間足の種類 | 9種類 | 21種類 |
| EAの互換性 | なし(MQL4言語) | なし(MQL5言語) |
結論:あなたの目的に合わせた選び方
- MT4がおすすめな人
- 豊富なEAやインジケーターを使って自動売買をしたい方
- 情報収集しやすい環境で始めたい初心者の方
- MT5がおすすめな人
- 裁量取引(手動での取引)がメインの方
- FXだけでなく株式など複数の商品を取引したい方
- より高度な分析や高速なバックテストを求める上級者の方

MetaTraderの始め方【完全ステップガイド】
MetaTraderを始めるには、まず対応している証券会社で口座を開設する必要があります。
- 証券会社でFX口座開設:利用したいMT4/MT5を提供している証券会社を選び、デモ口座またはリアル口座を開設します。
- プラットフォームをダウンロード:証券会社の公式サイトから、お使いのデバイスに合ったMetaTraderをダウンロードします。
- ログイン:口座開設時に発行された「口座番号」「パスワード」「サーバー名」を使ってログインします。
PC(Windows/Mac)でのインストール
PC版は、最も機能が充実しており、詳細な分析やEAの運用に不可欠です。
- 証券会社のサイトからインストールファイル(
.exeまたは.dmg)をダウンロードします。 - ファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
- 起動後、ログイン情報を入力して取引を開始します。
Macユーザーへの注意点
macOSのセキュリティ機能により、インストールがブロックされることがあります。その場合は、「システム設定」>「プライバシーとセキュリティ」からアプリの実行を許可してください。
スマホ(iPhone/Android)でのインストール
スマホアプリは、外出先でのポジション確認や緊急時の決済に非常に便利です。
- App StoreまたはGoogle Playで「MetaTrader 4」または「MetaTrader 5」と検索し、アプリをインストールします。
- アプリを開き、「設定」→「新規口座」→「既存のアカウントにログイン」をタップします。
- 証券会社名(サーバー名)を検索し、ログイン情報を入力します。
【図解】MetaTraderの基本的な使い方(PC版)
MetaTraderの画面は、主に4つのウィンドウで構成されています。
- 気配値表示:通貨ペアのリアルタイム価格一覧です。ここからチャートを表示したり、新規注文を出したりします。
- ナビゲーター:口座情報、インジケーター、EAなどをツリー形式で管理します。インジケーターをチャートへドラッグ&ドロップで適用できます。
- チャートウィンドウ:価格の動きを視覚的に分析するメインの作業スペースです。
- ターミナル(ツールボックス):保有中のポジションや取引履歴、EAの動作ログなどを確認する管理画面です。

注文の出し方と決済方法
- 新規注文:気配値表示で通貨ペアを右クリックして「新規注文」を選択するか、キーボードの
F9キーを押します。 - 注文種別:
- 成行注文:現在の価格で即座に売買します。
- 指値・逆指値注文:指定した価格に到達したら売買する予約注文です。
- 損切り(SL)・利益確定(TP):注文時に設定できます。チャート上の注文ラインをドラッグしても変更可能です。
- 決済:ターミナルウィンドウの「取引」タブで、決済したいポジションの右端にある「×」ボタンをクリックします。
チャート分析の基本
- 時間足の変更:ツールバーのボタンで、1分足(M1)から月足(MN)まで切り替えられます。
- インジケーターの追加:ナビゲーターから移動平均線やMACDなどのインジケーターをチャートにドラッグ&ドロップします。
- トレンドラインの描画:ツールバーの図形アイコンから、トレンドラインや水平線などを描画して分析に役立てます。
自動売買(EA)で取引を効率化
EA(エキスパートアドバイザー)は、MetaTraderの最も強力な機能の一つです。あらかじめ設定したルールに従って、24時間自動で取引を行ってくれます。

EAの使い方と注意点
- EAファイルを入手:EAは公式サイトや専門の販売サイトで購入・ダウンロードできます。(
.ex4または.mq4ファイル) - EAをフォルダに設置:MetaTraderの「ファイル」→「データフォルダを開く」→「MQL4」→「Experts」フォルダにEAファイルを入れます。
- EAをチャートに適用:ナビゲーターを更新し、EAを適用したいチャートにドラッグ&ドロップします。
- 自動売買を許可:ツールバーの「自動売買」ボタンをオン(緑色)にすると、EAが稼働を開始します。
⚠️ EA利用の重要な注意点
- 必ずデモ口座でテストする:いきなりリアル口座で使うのは非常に危険です。まずはデモ口座で十分に性能を検証しましょう。
- 怪しいEAに注意:「絶対に儲かる」といった謳い文句のEAは詐欺の可能性が高いです。信頼できる提供元から入手しましょう。
- VPSの利用を検討する:EAを24時間安定して動かすには、PCをつけっぱなしにする必要があります。不意の電源オフやネット切断を防ぐため、「仮想プライベートサーバー(VPS)」の利用が推奨されます。
まとめ:MetaTraderを使いこなすための第一歩

今回は、世界標準の取引ツール「MetaTrader」について、MT4とMT5の違いから具体的な使い方、自動売買までを解説しました。
- MetaTraderは高機能でカスタマイズ可能な無料取引ツール
- EA目的ならMT4、裁量取引や複数資産ならMT5がおすすめ
- PC版で分析・EA運用、スマホ版で外出先の管理が基本スタイル
- EAの利用は便利だが、必ずデモ口座で十分なテストを行うこと
最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、この記事で紹介した基本的な操作に慣れれば、取引の可能性は大きく広がります。
まずはリスクのないデモ口座から始めて、MetaTraderのパワフルな機能をぜひ体験してみてください。
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楽天証券にデメリットはある?
公平な視点で、注意点も挙げておきます。
- IPO(新規公開株)は激戦: 取り扱いはありますが、主幹事数(一番株を多く持っている証券会社)としてはSBI証券などに比べるとやや少なめです。
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