双日が上場来高値を更新!レアアース「脱中国」を加速させる6品目調達拡大の衝撃

双日が上場来高値を更新!レアアース「脱中国」を加速させる6品目調達拡大の衝撃

2026年2月18日

2026年2月17日の東京株式市場において、大手総合商社の 双日 (2768)が急反発し、 上場来高値 を更新しました。

日経平均株価が軟調な動きを見せる中、同社の株価は一時、前日比5.1%高の6,650円まで上昇。この市場の熱狂を導いたのは、前日夜に報じられた「 オーストラリア産レアアースの輸入拡大 」という極めて戦略的なニュースです。

本記事では、双日の株価急騰の背景にあるレアアース調達戦略の全貌と、投資家が注目すべき経済安全保障上の意義を解説します。

2026年2月17日の市場環境と双日の独歩高

当日の東京市場は、日経平均株価が戻り売りに押される不安定な展開でしたが、双日のパフォーマンスはセクター内でも突出していました。

当日の主要指標(09:45時点)

  • 株価(現在値) :6,618.0円
  • 前日比 :+290.0円(+4.58%)
  • 年初来高値 :6,698.0円(当日更新)
  • PBR :1.30倍
  • 予想配当利回り :2.49%

年初来安値(2025年4月)の2,689.0円から比較すると、わずか1年足らずで株価は 2倍以上 に急騰しています。他の大手商社が資源価格全体に左右される中、双日は「レアアース」という特定の戦略物資で具体的な進展を示したことが、投資家による個別評価に繋がりました。

レアアース調達戦略の核心:なぜ「6品目」への拡大が重要なのか

双日が打ち出した計画は、2027年半ばまでに豪州産レアアースの輸入対象を、現在の2品目から最大 6品目 へと拡充するというものです。

新たに加わる主要元素とその用途

これまで中国が供給網をほぼ独占してきた「中重希土類(ヘビー・レアアース)」の調達を多様化させる点が、最大のポイントです。

元素名輸入開始・予定主な用途と戦略的意義
サマリウム (Sm)2026年4月高温耐性磁石(航空宇宙、ミサイル誘導システム)
ガドリニウム (Gd)2026年後半医療用MRI造影剤、原子炉制御材
イットリウム (Y)2027年半ば光ファイバー、超伝導材料、特殊ガラス
ルテチウム (Lu)2027年半ばがん診断用PETスキャナ、触媒

特に2026年4月から開始される サマリウム は、F1のモーターや防衛産業に不可欠な「サマリウム・コバルト磁石」の主原料であり、サプライチェーンの脱中国依存を大きく前進させます。

15年にわたるライナス社との絆:戦略的投資の結実

双日の強みは、オーストラリアのレアアース最大手 ライナス・レア・アース (Lynas Rare Earths)との長年にわたる強固なパートナーシップにあります。

歴史的な忍耐と勝利

両社の関係は、2011年の「レアアース・ショック」直後に始まりました。当時はマレーシア工場の操業トラブルや価格暴落により経営危機も囁かれましたが、双日は長期的な視点で出資と支援を継続。その「 15年にわたる忍耐 」が、地政学リスクが高まる今日、代替不可能な価値を持つ資産へと変貌しました。

マレーシア分離施設の優位性

ライナス社がマレーシアに保有する重希土類分離施設は、中国以外では唯一といえる商用ベースの精製拠点です。国際的な環境基準に準拠しており、欧米の自動車メーカーが求める「クリーンなレアアース」という要件に合致しています。

経済安全保障と地政学的文脈における双日の役割

今回の高値更新は、双日が単なる「仲介業者」から、国家の存立基盤を支える「 戦略的プラットフォーマー 」へと進化したことを市場が認めた結果と言えます。

国策(高政権)との親和性

第2次高市内閣が掲げる「経済安全保障推進法」の強化において、重要鉱物の安定確保は最優先事項です。双日の取り組みは国策に合致しており、将来的な政府支援や税制優遇への期待も株価を押し上げる要因となっています。

QUAD枠組みとの整合性

日米豪印(QUAD)によるサプライチェーン強靭化の枠組みの中で、双日が日本向けのシェアを確保することは、国際政治的にも極めて高い評価を得ています。

今後の展望:最高益更新と株主還元への期待

財務面においても、双日は堅実なパフォーマンスを見せています。

  • 利益予想 :2026年3月期の当期利益は1,150億円と、3期ぶりの 最高益更新 を見込む。
  • 株主還元 :5期連続の増配を発表。100億円規模の自己株買いも継続しており、高い資本効率を示しています。

今後の注目リスク

  1. 分離技術の安定稼働 :マレーシア工場でのフル生産継続。
  2. 国際価格のボラティリティ :中国による供給量調整に伴う価格変動。
  3. 規制環境 :マレーシア政府による環境規制の動向。

まとめ:双日は「経済安全保障銘柄」の筆頭へ

2026年2月17日の上場来高値更新は、双日が築き上げた「非中国サプライチェーン」への信任投票です。2027年に向けた6品目体制の構築が進むにつれ、同社は商社セクターにおける レアアースの代名詞 としての地位をさらに揺るぎないものにするでしょう。

投資家にとって、双日は単なるバリュー株ではなく、地政学リスクを収益機会に変える「 商社3.0 」のトップランナーとして、今後も市場を牽引し続けることが予想されます。

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