【IPO】ミラティブ徹底分析!ライブゲーミングの将来性と「ダウンラウンド」の投資妙味とは?【472A】

【IPO】ミラティブ徹底分析!ライブゲーミングの将来性と「ダウンラウンド」の投資妙味とは?【472A】

2025年12月4日

2025年12月18日(木)、スマホゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ(ミラティブ)」を運営する株式会社ミラティブが、東京証券取引所グロース市場へ新規上場(IPO)します。

証券コードは472A。多くのスマホゲーマーに愛用される有名アプリの上場ですが、投資家の間で「ダウンラウンド(評価額ダウン)での上場」や「VC(ベンチャーキャピタル)の売り出しの多さ」が話題となっています。

本記事では、ミラティブの事業内容から、今回のIPOの注目ポイント、そして投資家が知っておくべきリスクとリターンについて、分かりやすく解説します。

ミラティブ(472A) IPOの基本情報

まずは、今回の上場に関する基本的なスペックを確認しましょう。規模としてはグロース市場の中で「中大型」に分類され、市場からの吸収金額も大きめです。

項目詳細
会社名株式会社ミラティブ (Mirrativ Inc.)
証券コード472A
上場市場東証グロース
上場日2025年12月18日 (木)
想定価格850円
想定時価総額約144億円
当選株数7,843,000株(OA含む)
主幹事三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券

ポイント1:時価総額と「ダウンラウンド」

今回の想定時価総額は約144億円ですが、これは過去の未公開時の資金調達評価額よりも約77%低い水準となっています。これを「ダウンラウンド」と呼びます。

  • ネガティブな見方: 成長期待が以前より下がった。
  • ポジティブな見方: 割高感が解消され、「お買い得な価格」で上場した。

投資家の判断が分かれるこのポイントこそが、今回のIPOの最大の焦点です。

どんな会社?「Mirrativ」の事業モデルと強み

ミラティブは単なる動画配信サイトではありません。「スマホゲーム」と「アバター」を軸にした、独自のソーシャル・プラットフォームです。

1. スマホ1台で完結する「手軽さ」

YouTubeやTwitchでのゲーム配信はPCや高価な機材が必要なことが多いですが、Mirrativはスマホ1台、数タップで配信が可能です。これにより、「見るだけの人」が簡単に「配信する人」になれる仕組みを作っています。

2. 顔出し不要の「エモモ(アバター)」

日本人は「顔出し配信」に抵抗がある人が多いですが、ミラティブには「エモモ」という3Dアバター機能があります。配信者の声に合わせてアバターが動くため、プライバシーを守りながら楽しくコミュニケーションが取れます。

3. 次世代の体験「ライブゲーミング」

ここが今後の成長の鍵です。「ライブゲーミング」とは、視聴者がゲームに参加できる機能です。

  • 視聴者がギフト(アイテム)を投げると、ゲーム内に回復薬が降ってくる。
  • 視聴者が敵キャラとして登場する。

単なる「応援」だけでなく、「ゲーム攻略」のために課金する動機が生まれるため、収益性が高いビジネスモデルとして期待されています。

業績は?ついに「黒字化」のフェーズへ

IPOにおいて最も重要なのが業績のトレンドです。ミラティブは長らく先行投資による赤字が続いていましたが、ついに転換点を迎えました。

  • 2024年12月期: 営業損失 約2億円(赤字)
  • 2025年12月期(直近3Q累計): 経常利益 2.3億円(黒字化!)

売上高も50億円規模を超え、ライブゲーミング事業が軌道に乗ってきたことで、収益を生み出せる体質へと変化しています。

投資判断:競合比較とリスク分析

類似する上場企業と比較してみましょう。

企業名主力サービス特徴PER (予想)
ミラティブ (472A)Mirrativゲーム×アバター約57.8倍
jig.jp (5244)ふわっち雑談・高収益約8.7倍
モイ (5031)ツイキャス多機能・文化-

競合のjig.jpと比較すると、ミラティブのPER(株価収益率)は高めに見えます。しかし、これは現在の利益水準がまだ低いためであり、市場は今後の高い成長率(グロース)を期待してプレミアムを乗せていると言えます。

投資家が注意すべき3つのリスク

  1. VCの売り圧力が強い(需給不安)今回は、既存株主であるベンチャーキャピタル(VC)が保有株の約4割を売却する「エグジット(出口)案件」の側面が強いです。市場に出回る株数が多いため、上場直後は売りが先行して株価が上がりにくい可能性があります。
  2. Apple/Google税への依存売上の約7割以上がAppleやGoogleの決済を経由しています。プラットフォームの手数料変更や規約変更が、経営に直撃するリスクがあります。
  3. 黒字の継続性直近で黒字化しましたが、競争激化で再び広告費が増えれば赤字に戻る可能性もゼロではありません。

まとめ:ミラティブIPOは買いか?

結論:ハイリスク・ハイリターンの「成長株」

ミラティブのIPOは、短期的な需給(売り圧力)の重さを警戒する必要があります。初値が公募価格(850円)を大きく超えて高騰する展開は簡単ではないかもしれません。

しかし、「ライブゲーミング」という新しい市場を開拓している点や、ダウンラウンドによる価格調整済みである点を考慮すると、中長期的には面白い銘柄と言えます。

  • 短期目線: 公募割れリスクも考慮し、慎重に。
  • 長期目線: スマホゲーム市場の構造変化を信じるなら、株価が落ち着いたタイミングでの投資を検討。

12月18日の上場日の値動きに注目が集まります。

※本記事は情報の提供のみを目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。


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  • IPO(新規公開株)は激戦: 取り扱いはありますが、主幹事数(一番株を多く持っている証券会社)としてはSBI証券などに比べるとやや少なめです。
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