「3Dモデルを作ってみたいけど、専門ソフトは難しそう…」
「ゲームやアニメのアセットを、もっと手軽に作れたら…」
そんな悩みを解決する、革新的なAIツールが「TripoAI」です。テキストで指示したり、1枚の画像をアップロードしたりするだけで、AIが自動で3Dモデルを生成してくれます。
この記事では、話題の3D生成AI「TripoAI」について、以下の点を網羅的に解説します。
- TripoAIで何ができるのか?(主な特徴)
- 具体的な使い方(アカウント登録からモデル出力まで)
- 料金プランと商用利用のルール
- 実際に使ってみた評判(メリット・デメリット)
- 他のAIツール(Luma AIなど)との違い
初心者の方でも分かりやすいように解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
TripoAIとは?わずか10秒で3Dモデルを生成する革命的AI

TripoAIは、テキストや画像といった簡単な入力から、高品質な3Dモデルを生成できるAIプラットフォームです。
最大の特長は、その圧倒的なスピード。わずか10秒ほどで下書きとなる3Dモデルを生成できるため、アイデアを即座に形にしながら試行錯誤できます。
これまで専門知識や高価なソフト、そして膨大な時間が必要だった3D制作のハードルを劇的に下げ、「3D制作の民主化」を目指している、今最も注目されているAIサービスの一つです。
TripoAIの主な特徴
TripoAIが他のツールと比べて優れている点は、以下の通りです。
- 圧倒的な生成スピード: アイデア出しやプロトタイピングが高速に進みます。
- 多様な入力方法: 「テキストto3D」はもちろん、精度の高い「画像to3D」が非常に強力です。
- 自動アニメーション機能: 生成したモデルに自動で骨格(リグ)を入れ、簡単なアニメーションまで付けられます。
- 豊富な書き出し形式:
GLB
,FBX
,OBJ
など業界標準の形式に対応し、BlenderやUnity等と連携できます。 - 寛大な無料プラン: 多くの機能を無料で試すことができます。
TripoAIの使い方【5ステップで簡単解説】
TripoAIを始めるのは非常に簡単です。ここでは、アカウント登録からモデルを書き出すまでの基本的な流れを5ステップで解説します。
ステップ1:アカウント登録
- TripoAI公式サイトにアクセスします。
- 「Sign Up」から、Googleアカウントまたはメールアドレスで登録すれば完了です。

ステップ2:モデルを生成(テキスト or 画像)
ログイン後の「Tripo Studio」画面で、モデルを生成します。
- テキストから生成 (Text to 3D):
- 入力欄に作りたいモデルの説明を英語で入力します(日本語でも自動翻訳されます)。
Generate
ボタンを押すと、4つのパターンの3Dモデルが生成されます。
- 画像から生成 (Image to 3D):
Image
タブに切り替え、元にしたい画像をアップロードします。- 背景が白で、キャラクターがTポーズを取っている画像だと、より綺麗なモデルが生成されやすくなります。

ステップ3:モデルを高品質化(リファイン)
生成されたモデル(ドラフト)の中から気に入ったものを選び、さらに品質を高めることができます。
- Refine: モデルを選択し、「Refine」ボタンを押すと、メッシュ(ポリゴンの集まり)がより滑らかで詳細になります。
- HD Texture: (有料プラン限定)テクスチャを物理ベースのリアルな質感にアップグレードします。
ステップ4:アニメーション設定(リギング)
キャラクターモデルの場合、自動でアニメーションを付ける準備ができます。
- Rig: 「Rig」ボタンを押すと、AIが自動でモデルに骨格(リグ)を埋め込み、動かせる状態にしてくれます。
- Animate: プリセットのアニメーションライブラリから動きを選んで、モデルを動かすことも可能です。
ステップ5:エクスポート
完成したモデルは、様々な3Dソフトで使える形式でダウンロードできます。
- Export:
GLB
,FBX
,OBJ
など、用途に合わせた形式を選択して書き出します。

こちらで作った3Dデータを印刷することも、3Dプリンターがあれば可能です。
TripoAIの料金プランとクレジットシステム
TripoAIは、アクションごとに「クレジット」を消費する料金体系です。
アクション | 消費クレジット(目安) |
---|---|
テキストから生成 | 20 クレジット |
画像から生成 | 30 クレジット |
モデルの高品質化 (Refine) | 30 クレジット |
リギング (Rig) | 25 クレジット |
エクスポート | 5-10 クレジット |
無料プランと有料プランの決定的な違い
TripoAIには無料プランと複数の有料プランがありますが、最も重要な違いは**「プライバシー」と「商用利用権」**です。
機能 | Basic (無料) | Professional (有料) |
---|---|---|
月額料金 | $0 | $15.9〜 |
月間クレジット | 300 | 3,000〜 |
モデルのプライバシー | 公開 (CC BY 4.0) | 非公開 |
商用利用ライセンス | 不可 | 可能 |
限定機能 | 制限あり | HDテクスチャ等 |
※価格は2025年6月時点。最新情報は公式サイトをご確認ください。
無料プランで生成したモデルは、誰でも閲覧・利用できる状態で公開され、商用利用はできません。
趣味や学習で使うなら無料プランで十分ですが、仕事で使いたい、作ったモデルの権利を保護したい場合は、有料プランへの加入が必須です。
TripoAIの評判は?メリット・デメリットを正直にレビュー
TripoAIは非常に強力なツールですが、良い点と注意すべき点があります。

メリット(良い評判)
- とにかく速くて手軽: アイデアをすぐ形にできるスピード感は、他のツールを圧倒しています。
- 無料でも十分遊べる: 毎月300クレジットが付与されるため、個人が学習や趣味で使うには十分すぎるほどです。
- 画像の再現度が高い: 元画像のポーズや特徴をかなり忠実に再現してくれると評判です。
デメリット(悪い評判・注意点)
- 品質にムラがある: 生成は高速ですが、時々メッシュが乱れたり、意図しない「トゲ」のようなものができたりすることがあります。
- 「見えない部分」は苦手: 1枚の画像から生成した場合、画像の裏側や隠れた部分がうまく生成されないことがあります。(有料プランの複数画像入力で改善可能)
- 【最重要】プライバシーとセキュリティのリスク: 運営会社が中国(香港・北京)に拠点を置いています。利用規約上、アップロードしたデータがAIの学習に使われる可能性や、中国の法律に基づき政府にデータを提供するリスクが指摘されています。機密情報や重要な知的財産を含む画像のアップロードは、慎重に判断する必要があります。
他の3D生成AIとの比較(TripoAI vs Luma AI vs Meshy)
3D生成AIの分野には、他にも有力なツールがあります。
ツール | 強み | 特徴 |
---|---|---|
TripoAI | 高速プロトタイピング / アニメーション | とにかく速く、動くキャラクターを作るまでが一気通貫。 |
Luma AI | 高品質な静物 / ビデオ生成 | リアルな質感のオブジェクト生成や、AIビデオ生成機能が強力。 |
Meshy | 高品質なテクスチャ / クリーンなメッシュ | 非常に綺麗なテクスチャや、整ったメッシュの生成に定評がある。 |
どのツールも一長一短です。

「アイデアを素早く動く形にしたいならTripoAI」
「リアルな質感を追求するならLuma AIやMeshy」
といった使い分けがおすすめです。
TripoAIはどんな人におすすめ?
以上の点を踏まえ、TripoAIは以下のような方におすすめできます。
- ホビイスト・学生: 絶対におすすめ。プライバシーリスクを許容できるなら、学習や個人プロジェクトに最適なツールです。
- インディー開発者・フリーランサー: 注意付きで「はい」。有料プランで商用利用権を得れば、プロトタイピングの強力な味方になります。ただし、扱うデータの機密性を考慮して利用を判断してください。
- 大手企業・スタジオ: 慎重な検討が必要。データプライバシーのリスクが、企業のセキュリティポリシーと合致するか、法務・セキュリティチームによる徹底的な確認が必須です。
まとめ:TripoAIは試す価値あり。ただしリスクも理解しよう

TripoAIは、3D制作の未来を大きく変える可能性を秘めた、非常にパワフルで革新的なツールです。そのスピードと手軽さは、一度体験してみる価値が十分にあります。
特に、趣味や学習目的であれば、無料プランは最高の遊び道具であり学習教材になるでしょう。
一方で、ビジネスで利用する場合は、商用ライセンスのために有料プランが必須であること、そして何よりデータプライバシーに関するリスクを十分に理解した上で、利用を判断することが重要です。
この記事が、あなたの3D制作の第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。