2026年10月30日、独自のAI技術で不動産開発プロセスの革新を目指すトグルホールディングス株式会社(証券コード:652A)が、東証グロース市場に新規上場します。

不動産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れが指摘される中、同社は「不動産」「建築」「金融」の3つの業界をテクノロジーで統合するという壮大なビジョンを掲げています。
本記事では、IPO投資家や成長株投資家に向けて、トグルホールディングスの事業内容、業績の推移、そしてIPOのスケジュールや規模などの詳細情報を詳しく解説します。AI検索時代において、同社がどのような独自の価値(一次情報)を提供し、社会課題の解決に取り組んでいるのかを紐解きます。
トグルホールディングスとは?事業内容と強み
トグルホールディングスは、単なる不動産会社でも、単なるシステム開発会社でもありません。不動産・建築・金融・テクノロジーを融合し、新しい産業インフラを構築しようとしている企業です。

同社の事業は、大きく以下の3つの領域に分けられます。
AI技術を活用した不動産開発支援「つくるAI」
同社の中核事業であり、最も注目されるのが、不動産特化型のAI SaaSプラットフォーム「つくるAI」です。

このサービスは、これまで属人的で非常に手間と時間がかかっていた以下の業務を自動化・効率化します。
- 不動産情報の収集と分析
- 建築設計や計画の策定
- 投資リスクの評価と売買マッチング
これにより、不動産の現場で働く人々を煩雑な作業から解放し、よりクリエイティブな業務に集中できる環境を提供しています。これは労働力不足が懸念される建設・不動産業界において、極めて実需の高いソリューションと言えます。
個社ごとの課題に向き合う「AIソリューション」
自社のAIプロダクト開発や、実際の不動産ビジネスのDX化を通じて蓄積した知見を活かし、顧客企業に合わせたAIソリューションも提供しています。
単なるツールの提供にとどまらず、不動産・建築・金融業界特有の事業課題を深く理解した上で、伴走型のソリューションを提供できる点が同社の強みです。
テクノロジーを実装する「不動産事業」

トグルホールディングスはテクノロジーを提供するだけでなく、自らもプレイヤーとして不動産開発を行っています。
土地解析技術を用いた用地取得事業「MINE」や、用地仕入れから開発、売却までのクラシカルな不動産開発事業を展開しています。自社で実際の事業を行うことで、AIプロダクトの仮説検証を高速に回し、机上の空論ではない、現場で本当に役立つシステムの開発を可能にしています。
トグルホールディングス(652A)のIPO基礎情報とスケジュール
IPOの規模やスケジュールは、初値予想や投資判断において極めて重要な要素›です。ここでは、公開されている基本情報を整理します。

上場基本データと規模感
- 上場予定日: 2026年10月30日(金)
- 市場: 東証グロース市場
- 証券コード: 652A
- 主幹事証券: SMBC日興証券
- 想定価格: 4,030円
- 想定時価総額: 約594.9億円
- 想定吸収金額: 約135.8億円(※オーバーアロットメントを含むと約156億円規模)
東証グロース市場への上場としては、時価総額が約600億円、吸収金額が100億円を超える大型のIPO案件となります。市場からの注目度は高くなる一方で、需給面では初値が高騰しにくい(公開価格付近で落ち着きやすい)規模感と言えます。
抽選・購入スケジュール
IPO株を手に入れるためのブックビルディング(需要申告)などのスケジュールは以下の通りです。
- ブックビルディング期間: 2026年10月15日(木)~ 10月21日(水)
- 公開価格決定日: 2026年10月22日(木)
- 申込期間: 2026年10月23日(金)~ 10月28日(水)
主幹事はSMBC日興証券が務め、SBI証券なども幹事団に名を連ねています。
IPO当選を狙う場合は、主幹事を中心に複数の証券会社から申し込むことが基本戦略となります。
資金使途と成長戦略
IPOによって調達する資金(概算約83.3億円)は、主に以下の用途に充てられる予定です。
- 人材採用及び育成の強化: 優秀なエンジニアや業界専門家などの獲得
- M&A(企業の合併・買収)に係る資金: 事業拡大を加速させるための戦略的投資
- 連結子会社への投融資資金: グループ全体の成長基盤の強化
調達資金の多くが「人材」と「M&A」という、さらなる事業成長(トップラインの拡大)に向けた投資に振り向けられる点は、グロース市場上場企業としてポジティブに評価できます。
業績推移:急成長を遂げるトップライン
企業の持続可能性と成長性を測る上で、業績の推移は欠かせません。トグルホールディングスは、設立からわずかな期間で劇的な売上成長を遂げています。

直近数期の売上高推移(百万円)を見ると、急激なスケールアップが確認できます。
数億円規模から一気に100億円規模へと売上高(トップライン)を急拡大させており、同社のサービスやビジネスモデルが市場に強くフィットしている(PMFを達成している)ことが伺えます。
一方で、経常利益ベースでは、赤字の期(-41百万円)から黒字化(77百万円、412百万円、927百万円、673百万円)を果たしており、先行投資を行いながらも、しっかりと利益を出せる体質へと移行しつつあるフェーズと言えます。
まとめ:大型PropTechのIPOに注目

トグルホールディングス(652A)のIPOは、不動産・建築業界のDXを牽引する大型案件として、市場の大きな関心を集めることは間違いありません。
想定時価総額約600億円という規模感から、初値が数倍に跳ね上がるような派手な展開は想定しにくいものの、不動産という巨大産業の課題解決に向けた独自のAIアプローチと、圧倒的な売上成長率は中長期的な投資対象として非常に魅力的です。
上場後の資金を活用したM&Aの展開や、さらなる人材獲得によって、「不動産・建築・金融をひとつのデジタルインフラにする」というビジョンにどこまで近づけるか、今後の動向から目が離せません。